EXODUS |
20世紀最後のアコースティック楽器・スティール・パン。
エクソダス恐るべし!最高だったな。
1981年に結成後、カリブ海諸国の賞をそうなめ、世界のスティール・ドラムコンテストもそうなめにし、2003年「ワールド・スティール・バンド・フェスティバル」優勝の強者達だ。
メロディーを奏でまくる打楽器だもんね、乗りが悪い訳ない。
手拍子もオイつかない変拍子とサンバの嵐。イイ、エカッター!
会場の「中野サンプラザ」に入るなりステージに小汚いドラムカンが置いてある。
おっさんが出て来てハンマーで叩く、愛おしく叩く、少しづつ音が変わる、暗転。
ドッカーンと「Pan in A Minor」とかが矢継ぎ早に演奏され鼓膜をゆさぶる。
その後、ドラムカンから楽器になるまでをスクリーンで見せてくれる。
南の島と海、貧困、青空、差別、素敵な果物、過去の歴史、水平線、犯罪、裸足、穴の空いたスニーカー。
彼らはとびっきりの笑顔とテクニックで観客を圧倒した。
スタンディングオベーションしてました。
おまえら陽気だな、テンションとか乗り越えて本物の陽気な奴等だな。
会場を出てタクシーを拾おうとしたときサンプラのトイメンで太鼓のリズム。
沖縄青年団と中野区提携の青空ライブを小さな公園で演奏中だった。
妻はへとへとな癖にタクシーをキャンセルしてその会場に向かった。
まるで少しずれた彼女の体内リズム時計を合わせるように朴訥な琉球の三針と合いの手に吸い寄せられて行った。
私は未だ暑い9月の風の凪とで心配して立っている。
なんだか安心し切って座り込み琉球音楽のルーツを一生懸命語る妻の後ろで解けたアイスクリームを持って立っていた。
アイスクリームが溶けたってたいした問題じゃないよな、こんな時は。