よくある、濡れ衣 |
「給食費盗難事件」が起きた。
中休みに男子らしく吐きそうなくらい激しく遊びに熱中し、次の体育の準備を忘れていたんだ。
もう、誰もいない教室でゼーゼー息を切らしながら急いで体操着に着替え、体育館への最短コースである「隣のクラス突っ切り会議室のソファー飛び越え窓から飛び出し」技を繰り出し、少し遅れて体育館へ走った。
「こらっバカたれが〜」といつもの拳骨を食らって皆の笑い声の中急いで前習えしてドッジボールかなんかした。
んで、5時間目。授業は突然変更されホームルームになった、盗難があったとゆうのだ。
説明の後、全員に目を閉じさせて「先生は皆を信じたい、犯人探しもしたくない。」とか言いながら正直に犯人は手を挙げなさいと宣う。
暫くして、「はい、もう目を開けろ」とご立腹の先生方。
誰も手を上げなかったんだなと分かった。
放課後、さようならの挨拶のあと廊下で待ち伏せていた先生に呼ばれ職員室へ。
「正直に言いなさい」「なぜ、君は体育に遅れたの?」と腕組みの先生たちに問いつめられた。
何人もの生徒達に事情聴取し誰もいないはずのあの教室で盗みを働ける者は君しかいなかったのだといきなり犯人扱いされてしまった。
しかし、私はやってない。
むしろ、大人が間違った答えを出してくそ真面目に「いいのよ、正直に言えば許してあげる」な顔でもう誤摩化しは効かないんだよ、子供らしく犯行を認めなさいと見下ろしているのが可笑しくなってきている。。
「じゃ、僕が盗んだ事になるんですね」と言った。
職員室はどよめき揺れた、「まー、何て子でしょう。こんな子供は初めてです」「なに一つ反省もしていません」と急先鋒で問いつめていた女先生が蛇でも見る様に叫び周りの教員達の顔を見回した。
でも、私はやっていないので朗らかだ、この状況が面白くてますます大人を観察する好奇心たっぷりの眼差しで下からぐるりと先生達の顔を見定める。
これに、ますます怒る女先生に「僕じゃなかったら困るんですか?」と言った。
この瞬間、担任の先生が目の前に立ちふさがった。
私の言葉で女先生がどんな顔をするか見たかった不満顔の私に拳骨。
「まっと、日頃の行いじゃバカたれが!」と言い、スクラム組んだラガー達の様に丸く陣形をとった先生達がひそひそと作戦をまとめた後帰宅を許された。
次の日から私はクラス中で泥棒扱いである、あのタイミングで職員室に引っ張られて行ったのだから当然である。
でも、私は朗らかである気にしている仲間とガンガン遊んだ。
後日、真犯人が名乗り出て濡れ衣は晴れた。
最短コースで隣のクラスを突っ切ったとき私は気付かなっかたがその子と目が合ってたらしい。
その子は、自分を守って私が言い訳も何もしなかったのだと思い遂に職員室に自ら告白しに行ったらしい。
なぜ、「らしい」かとゆうと先生達は結局私の所に詳しい説明と謝罪に来なかったんです。
大人には大人の事情があり......とか、私はその頃から奇妙な事に担任や先生達に優しい気持ちで接する様になった。
今、私は子供を育ててきて彼らの眼差しにビビり続けてます。
知識や学問、権威や威圧が嘘くさい臆病者の過剰な鎧を舞っとった滑稽な生き物だと見抜かれているんじゃないかと。
でも、この事件はとても幸運な結末です、良く出来たテレビドラマのようです。
今、満員電車で女子高生に痴漢って叫ばれたら同じ様にあの頃の様に対応は出来ないな。