猫が好きである。 |
野生を残したまま人間と共存しているネコが好きである。
ものすごいバランスで、人間と生きて、都市でも生きているネコが好きである。
自由に生きている感じがたまらんのです。
あの生意気な態度も美しい振る舞いにより、許されているネコが好きである。
ずるくて勝手なネコ。
人間のほうはそんなワガママなネコを許すことで、精神のバランスを保っているのである。
自分の気分が良いときだけゴロゴロと尻尾を立てて足にすりより、女王のように食事を要求してくるネコ。
人間より高いところでくつろぎ、人間を軽べつしまくった瞳で見下ろすネコ。
きっと、木の上からいつだって狩をする気で見下ろしているんだ。
ネコの血は「人間を食え」といつだって命令しているに違いない。
人間はそんな事を知ってて許しているのである。
ネコに対し、寛大さを示しているのである。
数年前、動物園に行ったとき、トラを見てました。
子供たちはワイワイ喜んでいましたが、私はその日、ある決意をしていました。
「なめんなよ、トラ!ネコのクセによう」……とね。
だから、ドテーと寝くさっているトラの檻に顔を近づけて
「こらっ、やっちゃろかい」とガンを飛ばしてやりました。
トラはぴくっと半身を起こして、私の瞳をジーっと覗きこみましたです。
あのトラの目はハッキリと「エサ」を見ている目でした。
私はトラにとって、「どんな味なんだろう、コレ」という存在になりました。
びびったです。
ちょっと、ちびったです。
泣きそうになりましたです。
昔、食われたときの記憶がよみがえったのかもしれんです。
だから、私はネコを許してやる。
ネコを許してやるのが好きだ!!