MONET |
7月2日が最終日だ。仕事と重なる。
7月1日、今日しかチャンスは無い!
「最後の日曜日だから、混むだろうなー」と思いつつ乃木坂の国立新美術館へ。
案の定凄い混雑で1時間待ちだった。
私はこの行列ってのが、嫌いだ。
文庫本も持ってきてない。
マジで帰ろうかと思いつつ、
周りを見渡した。
オシャレだ。
お洒落ではないですかっ
ふきぬけの4階まで続く高いガラス窓から、自然光が差し込む。
ゆったりと広いフロアーの中央に設置されているカフェ。
良い香りがする。
でも、カフェのお客さんの周りは「あと1時間も行列させられるんかいコノヤロー」な若干殺気立った群れが包囲している。
にらんでるし!
「こっちは立ってんのに、そっちは座ってますか!」だし「こっちは腹ぺこなのにそっちは食ってますか!」と群れがにらんでる中、カフェの人々はオシャレで有り続けようと絶対目を合わせない。
ちょっと、面白くなったのであまり退屈せずに毎分5メートル進んだ。
後ろの老夫婦の会話が聞こえた。
「あなた、何でこんなに混でるんですかねぇ?」
「そりゃ、今日が最終日で木曜日だからだよ。」
何にもあってねーし、奥さん黙り込んでるし。
そーとー、面白くなって来た頃入場口まであと5メートル。
さて、「MONET」だ。
もう二度とここまで一同に集まる事はないだろう。
「日傘の女性」「積みわら」「睡蓮」「霧のルーアン大聖堂」「かささぎ」「舟遊び」あるはあるは、有名どころからスケッチまで圧巻だった。
しかし、私は人の後ろ頭を観賞しに来たのではない。
ぐぐいのぐいと掻き分け最前列へ、モネの筆をのぞき込む。
人の波に押し戻されては、掻き分けしながら観賞した。
「モネさん、本当に色混ぜてねぇ〜」であった。
離れて観て感動しながら近づいてみるとどんどん原色と原色がびっしり描き込まれただけのカンバスに見えてくる。あんなに澄んだ水や波が近づくとただの油彩の点描に変わる。
興奮して買ったばかりのカタログを眺める。
詐欺だな、カタログって詐欺だなってくらい色が違うよね。