みかんの誘い |
あとふたつ豪快に一本背負い決めたら、本年の仕事終了!
わはははははっ
ふ・た・つ ? もあるんですかっっ
で、ふらふらと階下に降りてコーヒーをいれる。
つまり仕事部屋からひとまず非難した訳なのだが、さて今が真夜中に差し掛かろうとしているのか暁間近の静寂の暗闇なのか私の体内時計はつかめない。
ふと、キッチンのテーブルに目をやると妙な物が置いてある。
みかんのふさだ。
蜜柑の房だ、と確認してもう一度確かめる。
メッセージが込められている感満々である、大きな房と意味深な距離で小さな房がぽつんと並べられている。
家族の誰かが、私にメッセージを送っているのだ。
私は謎を解かねばならない。
この蜜柑に込められた謎に何か重大な秘密が隠されているに決まっている。
時間をかけて一つ一つ検証し失われたジグソーのパーツを特定するように......
...................................。
いやっ解かなくていいってば!
何だか熱っぽい脳を苦いコーヒーでしゃんとさせて、仕事部屋へ昇ってゆく。
あぁ、大きい方が私で小さい方が子ども達で.........ぶつぶつ。
くそっ気になるじゃないか。