夜走る4 |
新婚ほやほや時代のアパートが燃えちゃいました。
アパートの1階の私達の部屋の窓のど真ん前に駐車されたバンに火をつけやがったですよ。
しかも塗装業社のバンでペンキやらシンナーやらてんこ盛りだったんだ。
知ってます?爆発により飛び散るガラスの破片って尖ったほうから飛んでくんですよ。
午前1時15分、こんな真夜中に偶然アパートにいなかったのです。
懐かしい友人が上京してて新宿で飲んで歌って、友人がホテルに帰った後も久し振りの歌舞伎町なので結婚前みたいに大盛り上がりさ!
んで、帰宅中のタクシーが消防関係の人に止められた。
「なんすか?」
「ほら、見えないの?火事だよ、大火事。ここ車通れないよ」
「マジ!火事?見に行こうゼぇ」
二人で走りましたね、もー今夜の締めくくりを飾る花火を見に走りましたね。
うちでしたね、そりゃーもーどんなに酔っぱらっててもうちのアパートでしたね。
翌日、現場で見ましたですよ。
畳やカーペットや壁にざっくり刺さっている無数のガラス。
畳なんて4センチ近く深々と....妻も私も真っ青ですよ。
お巡りさんが、火事場泥棒や貴重品の件について何か言って来た。
私ら二人は急に可笑しくなって笑った。
よかったぁ、なんもなくて!